世界で初めてとなる免疫障害性統合失調症の完治に挑むベンチャー" /> " />

REAL TECH FUND

【株式会社RESVO】
世界で初めてとなる免疫障害性統合失調症の完治に挑むベンチャー

1970.01.01
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世界初となる免疫障害性統合失調症バイオマーカーを研究

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永田はじめにRESVOという会社のことをご説明していただけますか。

大西一言で言えば、「難病(現在治せない病気)」を治そうとしている会社ですね。

永田まさにビジョンですね。具体的にはどのような難病をどうやって治そうとしているのですか?

大西診断や治療の方法が解明されていない脳神経の病気に対し、最新のバイオテクノロジーを使って診断マーカーを開発して、その治療薬を作ろうとしています。

永田診断や治療の方法が解明されていない脳神経の病気とはどのようなものですか?

大西一般的には精神疾患と呼ばれている病気、たとえば統合失調症とか自閉症です。

永田その病気は現在どのような診断と治療がなされているのですか?

大西構造化面接という質問形式の診断に頼っています。その診断の結果により薬を処方するのですが、問題なのは脳に疾患があるのか、性格とかストレスなどの理由によるものなのかが面接による診断ではわからないんです。性格を治す薬なんて世の中にないけど脳の疾患を緩和させる薬はある。これを区別せず投与するがゆえに、治療効果が極めて悪いんです。そこで我々は客観的に判別ができるマーカーをつかって効率的な治療ができるように研究しているんです。

永田そもそも脳が病気になるメカニズムには、たとえば物理的なものや神経系の疾患とか化学物質によるものとか、いろいろな要素がある中で、なにに基づいた疾患をどのようにマーカーで測ろうとしているのですか?

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大西精神疾患の原因として考えられているのは、神経回路や神経伝達物質等の問題がその原因とされています。また脳神経の機能不全の過程、すなわち神経の変性がなぜ起きるかについて、あまりわかっていなかったんですが、近年、その原因のひとつとして自己免疫が作用しているというのが研究者の間で解ってきました。RESVOの技術はこの自己免疫を診断して、免疫系に効くような薬を作ろうとしているのです。

永田普通の人が免疫と聞くと、病気などから身体を守ろうとする優れた能力じゃないですか。それがなんで悪く機能するのでしょうか?

大西免疫っていうのは大半がいいものです。体に害があるウィルスや細菌から守ってくれます。しかしこれが暴走すると自分の身体を攻撃することもあるんですよね。例えば関節リュウマチとかもその一つです。免疫の暴走が脳神経を攻撃した結果、精神疾患と呼ばれる病気になっているという説があり、それを研究しています。


免疫異常の研究により精神疾患の根治に挑む

永田精神疾患は先天的な障害によって現れるとも言われます。免疫の暴走も先天的な原因によっても起こるものなんでしょうか?
大西精神疾患の原因仮説は様々あり、先天的な遺伝子の障害もその一つです。その他にも、胎児期の免疫障害によって出生後、免疫が暴走する様になり精神疾患が起こると考えられています。胎児期の免疫障害によって引き起こされる統合失調症(以後、免疫障害性統合失調症)は統合失調症患者全体の30%に上り全世界で1200万人いると考えられています。この免疫障害性統合失調症を発見したのがカリフォルニア工科大学(Caltech)のポール・パターソン(Paul H Patterson) 先生です。先生はこの分野の中心的なお仕事をなさっていたんですが2014年に亡くなられて、この分野の研究は停滞しています。現在、この分野を精力的に研究しているのは僕らくらいなんですよね。

篠澤パターソン先生って、かつてスペイン風邪の後に出生児の統合失調症が増えたっていうのを研究していた先生ですか?

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大西はい。1950年代の疫学研究の報告を受けて、パターソン先生は2000年代にモデル動物をつかって研究を行ったんですよね。なぜそれが起こるのかを明らかにするために。

篠澤歴史を紐解くとそういうことがあったらしいという事はわかっていたけど、それを研究する方法がなかったんですね。

大西そう。それをモデル動物ベースで研究できるようにしたのがパターソン先生の業績。でも先生は亡くなってしまって。その後、先生が書いた論文を再現すればこの分野の研究が可能になるはずだったんですが、様々な要因が絡み合っていたみたいで再現するのが難しかったみたいで世界中の研究者が手を引いている状態でした。でも僕は最初にこの論文を読んだときに、これは確実に再現できる!と感覚的に思ったんです。ただ、論文に書かれているやり方で試してみたらできなかったんですよね。そこでこれは別のやり方が必要だろうと考えて試行錯誤しました。で、その結果うまくモデル動物が出来て、免疫障害性統合失調症を発見するためのバイオマーカーも発見できました。元々、僕らが発見したバイオマーカーは、モデル動物ができているか調べるためのマーカーだったんですが、実際の患者もあることが発見されてヒトに応用可能なマーカーになった。

永田ヒトで試験をするまえに、動物試験が必要でその試験をするときに、疾患モデル動物が治したいと思う症状になっていないと本当に効いているかどうか分からない。癌の様に目に見えるものならまだしも、精神的な行動障害のようなものを計ろうとする時、動物に口頭で確認することも出来ないので、マーカーの開発が大切なんですね。因みにどうやって動物の精神障害を診断するのですか?

大西行動異常を調べる伝統的な実験があるので、それを調べることは可能です。でも動物の行動を調べるのは大変な時間がかかるんですよね。そこで、それと相関関係があるような血液マーカーを探しました。その結果見つかったのがフリーライトチェーンという我々が開発したマーカーなんです。
永田今まで行動や言動を基に薬を処方していたところを、この血液マーカーによって客観的に検査出来れば効率的な治療が可能になる。分かりやすいですね。さて、このマーカーによって疾患が見つかりました、その次になにをなさろうとしているのですか?

大西次に必要なものは新たな治療薬ですね。今まで、モデル動物から新たな治療薬の開発が行われてきまししたが、「効く患者もいた」というケースレポートしかありません。統合失調症の原因は複数存在するので、そのモデル動物と類似の原因で発症した患者群を見分けることが出来なければ、臨床試験をしても「効く患者もいた」という結果にしかなりません。そこで、現在、我々はマーカーによって効く患者を見分けてから新たな治療薬を投与する試験を計画しています。それが成功すればマーカー+治療薬という効率的な治療ができるようになります。

永田治療をすると、血中の物質は減るんですか?

大西最近、基礎研究ではありますが、治療するとそのマーカーは下がることが分かりました。

篠澤モデル動物では治るにしたがって、値が下がってくることが分かったと。

大西そうです。

永田それは体のどこから分泌されているんですか?

大西我々が発見したマーカーは免疫細胞が分泌しています。風邪を引いたら免疫はあがります。でも普通は風邪が治れば元に戻るものなんですけど、免疫障害性統合失調症では恒久的にあがりっぱなしになってしまっているんですよね。免疫異常に亢進することで、脳が攻撃されていて。でも、その免疫が抑え込まれていくと、脳も治ってきて、血液マーカーの値もさがっていくことがわかってきた。

永田おもしろい。では、さきほどの恒久的な状態というのは、免疫がおかしくなっているのであって、脳に恒久的な異常があるのではないという事ですか?すごい。脳に異常があって治らないのなら、免疫抑えたって意味がないけど、違うんですね。

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大西そうなんですよね。脳って神経接続を変化させることで、一部が機能しなくてもなくても補完してしまうんですよね。だからちょっと機能しない部位があったとしても、根本的な原因を抑え込めれば治せる可能性が十分あるんですよね。

永田統合失調症の人たちはどれくらいいるんですか?

大西:人口の1%と言われているので国内は120万人、そのうち病院にかかっている人は70万人。

永田:世界では7000万人という事ですね。そのなかで免疫障害性統合失調症患者は何人ですか?

大西:およそ3割といわれています。日本なら40万人。

永田:日本では40万人、世界では2100万人が治るんですね。これ、すごい大きな話ですね。

大西:本当に治せればノーベル賞になるとおもいます。治療法がない病気なので。

篠澤難病へのアプローチとして自分たちを定義していること。背景のサイエンスもしっかりしている。治療薬を探すとか、マーカーを見つけて診断の補助に使えるとか。いろいろな戦略が用意されていて、それぞれモデル動物など客観性も用意している。ここまでそろっている難病治療に挑んでいる会社は少ないと思う。

永田何よりもマーカーを持っている。それに対する治療法、治療薬のアイデアも持っている。その影響を与える範囲は、世界の統合失調症患者の3割を根治できる可能性があるんですね。うまくいくと何年後に治療ができるんですか?

大西緩和薬については既に製薬企業と開発を始めているので、早ければ結果がでるのは3-4年後だと思います。今後は根治薬の開発も行いたいと思っています。

永田精神疾患以外の研究はなさっているのですか?

大西今は精神神経疾患の治療に狙いをつけていますが、次は慢性疲労症候群とか。他にも治せない病気の治療を考えています。今の会社はRESVOパート1と考えていて、免疫障害性統合失調症のバイオマーカー+治療薬の開発に目途がたったら大手企業へその2つをセットにして導出しようと思っています。そうしたら、新たな難病に挑む会社RESVOパート2を作りたい。世の中には治らない難病ってたくさんあって、RESVOパート5くらいまでやって5つ難病を解決するのが夢。それが出来た頃には僕の寿命も来てるだろうから引退かな(笑)。

永田ある種の難病に対するターゲッティングファンドですね。因みにRESVOパート2ではなにを治療するのですか?

小林RESVOパート1は免疫障害性統合失調症の診断や治療であり、それ以外の免疫障害由来の神経疾患をRESVOパート2で研究したい。

永田自己免疫疾患からのアプローチで統合失調症の3割を治す。そして他の免疫疾患による病も治せるかもしれないんですね。

大西そうですね、たとえば免疫障害にとって起こるALSやアルツハイマー病の一部にも応用出来るかもしれません。


起業スタイルは漫画「SHOGUN」の世界観

永田起業したきっかけは?

大西正義の味方になりたかったんです。子供のころに見た仮面ライダーみたいに。しかしながら現実にはそうはいない。でも中坊公平先生の本を読んでびっくりした。現実にヒーローっているんだって。法律を武器に弱者救済に立ち向かった中坊弁護士に感動したんです。でも、自分は弁護士ではない。だからサイエンティストとして弱者を助けたいと思いました。

永田悪に立ち向かうことが最初のテーマとして存在して、できることを選んだら研究者だった。

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大西研究者としてアカデミックなことだけをやっていても誰の役にも立たない。でも、北里大でノーベル賞を受賞した大村先生は研究を商売に結びつたから多くの人を救えたって。

永田お二人とも北里大学を卒業なさったそうですね。二人はどこで知り合ったんですか?

小林学部のOB会に参加したときに出会いました。もともと自分は理論物理、大西は生物物理を専攻していて。私はそのころトヨタグループで内装開発や新規開発をやっていました。

大西自分は基礎医学を研究したかったので大学院も北里大だったけど、小林は理論物理を研究したかったので東北大の大学院に進学しました。

小林東北大の工学研究科に足を延ばして研究からトヨタへ行きました。

永田その二人が学部のOB会であう。どんな話をしたんですか?

小林みんな仕事とか研究とかやっていることを話す、たとえば統計力学から金融へいったとか。で、大西は研究の話を分かりやすく話すんですよね。私はそのころ本業と並行して個人事業でシェアハウスをやっているという話をしました。そのときに(小林は)ビジネスをやれるんだって知って、大西が「もっと経営を勉強したら一緒に起業しよう」みたいな話をしました。

大西当時、ぼくは起業したいと思ってもひとりでは絶対できないって思っていて。週刊少年マガジンに連載されていた「SHOGUN」という漫画が好きで子供のころよく読んでいました。この漫画では上野公園のホームレスだった青年が会社を興して大きくして大財閥に立ち向かうというお話しなんですが、適材適所で仲間を集めて会社を大きくしていくんですよね。餅は餅屋じゃないですけど、一人ではできない。
因みにこの漫画では主人公がスタンフォード大学のビジネススクールで教えているデザイン志向によく似たビジネスを展開していくんですよね。起業するときにも読み直しましたが、かなり勉強になった。RESVOの屋台骨になる考えを作るのに参考にしました。

篠澤スタンフォード大のビジネススクールの先生、絶対この漫画しらない(笑)

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大西会社の全員にこの漫画を渡して、僕はこういう会社を作りたい。これをバイオでやる。「難病を解決するには薬ができるだけではだめで、包括的ケアのために必要な全体のシステムごと作る」それに加えて、「会社とは給料をもらえるところではなくて、社会の課題を解決する装置なんだ」。この夢の実現のために協力して欲しいって臭いセリフを吐いてRESVOのメンバーを集めました。

永田大西さんが小林さんを選んだ理由は?

大西研究者だけでは絶対に会社は上手く行かない、自分がやろうとしていることを過去にやった人はいない。治せない病気を治そうという事業。ある程度、過去に成功例がある事業なので経験を持った人がいない。それなら、これから伸びそうなヤツを選ぶことにしました。

永田どの辺が伸びそうだと思いました?

大西一つは地頭がいいこと。僕は地頭いいヤツは名門大学では無く名門高校を卒業していることが多いと思っていて、小林も地元の名門高校の出身。あと、発想力。彼がやっていたシェアハウスの話がなかなか面白い。不動産をただまわすのではなく、コミュニティを作ってあたらしい事業を生み出す仕組みを作っていたこと。


リアルテックファンドのノーベル賞候補

永田RESVOの事業について、今まで他人に話をしてきました? 「いいね」、っていわれてきましたか?

小林大抵「いいね」って言ってくれるんですけど、多くのVCさんには叩かれてきました。

永田なんでですか?

小林「検査キットでしょ、お金の匂いがしない」、ITほど早くないし爆発しないしって。

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大西最初のころは、研究の話ばっかりしていて。「どこで儲けるの?」って何時もVCに言われました。これはまずいと思ったので、スタンフォード大学のビジネススクールの教科書バイオデザインっていう厚い本を二人で読んで勉強しました。そしたら、そこに書かれていた「やってはいけないビジネスモデル」っていうのに僕らのビジネスモデルがすべて当てはまってて(笑)。それで急きょビジネスモデルを作り変えたんですよね。

永田なにが変わったんですか?

大西当初はシーズからビジネスモデルを構築していたんですが、ニーズからビジネスモデルを構築することにしました。どのニーズを選択するかでバイオビジネスの殆どは決まるってその教科書に書いてあって。で、ニーズってなんだと。検査したいのではなく、治したいのだと。だから治すために検査薬を開発しようと。研究者はシーズから始めたがるんだけど、そのシーズにも必ず何らかのニーズがあるはずで、そこからシーズとニーズをつなぎ合わせることが必要なんだと思います。

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永田ぼくらも本当に多くのバイオマーカーに関する研究の話をきくんだけど、結局それで何が解決するの?って疑問に思う。ソリューションがないと大きな意味をなさない。でも研究者はソリューションを考えていないわけではなくて。でもプレゼンテーションになると、特に科学者は常に立証した内容しか語りたくないという事が往々にしてあって。それが投資家とのミスマッチになっていることが多いんですよね。それを修正したことが重要だったんですね。

大西創薬において、疾患メカニズムがわかっていてそれに対する薬を作りました。というのはスマートですけど、薬ってそうやってできることは稀で、偶然、疾患に対して効果があることが発見されて、後なって作用メカニズムは明らかになったものが多いんですよね。アスピリンもそうで、原型のサリチル酸は植物に含まれていて紀元前からその植物は薬草として使われてきた。薬効成分が分離され作用メカニズムが明らかになったのが1970年代なんですよね。今の科学はロジカルドリブン、理論が先にあって進めている。でもディスカバリードリブン、現象から考えるということも必要。メカニズムはどうあれ、効いた人がいるよね。と、だから、それを基に作ったら絶対にゴミにならないと思っている。ぼくは現象からアプローチしたい。その方が早く開発出来るし、効果も高いと思う。

永田RESVOが研究していることが成功して世の中を変えていく。リアルテックファンドの立場、投資担当として、なにを会社に期待しますか?

篠澤統合失調症の根治を愚直に追及してほしい。それができる会社だとおもう。単に治験を進める会社ではなく、研究を続けていろいろなアプローチで多くの病を治す会社として社会にインパクトを与えてほしい。

永田小林さん、最後に世の中の人に対するメッセージをお願いします。

小林「イメージできることは実現できる」という信念がRESVOにはあります。世界の難病患者を救う。統合失調症を根治を実現しようとする地球で唯一の会社です。これからのよろしくお願いいたします。

永田リアルテックファンドにはノーベル賞候補の会社があって、RESVOはその候補の1つです。がんばって世界を変えていきましょう。