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REAL TECH FUND

【株式会社キノテック・ソーラーエナジー】
亜鉛リサイクルの世界的課題を解決する。

2016.01.06
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資源のない日本だからこそ必要な、
亜鉛をリサイクルする技術。

永田まずは御社の技術について、簡単にご説明いただけますか?

母里鉄鋼を生産する際に発生する電炉ダストから亜鉛をリサイクルする技術です。

松浦先生の選択塩化法という技術は、電炉ダストを塩素と空気の混合ガスで反応させて、塩化亜鉛として回収することができます。

この技術は従来法と違い、回収の際に二酸化炭素を発生させません。

更に私たちの溶融塩電解法という技術により、回収した塩化亜鉛を、最終的に純度99.99%以上の亜鉛として電気分解し、リサイクルする。

この二つの技術のハイブリッドと言えます。

photo_1永田母里社長と松浦先生が知り合われたきっかけは何でしょうか?

母里私自身は、これまで長く非鉄金属分野で仕事をしてきました。

その経験の中で、選択塩化法に関する松浦先生の論文を見て「これは素晴らしい!」と思い、後日先生のところに伺って、是非私たちに協力してもらえないかとお願いしたことがきっかけです。

永田松浦先生、この技術の可能性を世の中の人に分かりやすく説明していただけますか?

松浦選択塩化反応は、熱力学という学問から言えば、十分予測できることです。

電気炉ダストにこの選択塩化法を用いれば、そこから亜鉛だけ回収できるということは昔から知られている。

熱力学を分かっている人ならば、皆が理解できるプロセスです。

photo_2電気炉ダストの処理という観点から言うと、私たちの技術は「亜鉛のリサイクル」というのがポイントなんですね。

亜鉛のリサイクルは、電気炉を利用する以外にリサイクル方法がないんです。亜鉛は色々な使われ方をしますが、一番多い用途が鉄鋼のめっきです。

最近、日本社会が経済的に成熟してきており、その成長過程で社会に蓄積された亜鉛めっき鋼鈑などの比較的高級な鋼材がスクラップとして出るようになってきたので、ダスト中の亜鉛濃度が上がってきています。

世界中で亜鉛の鉱石が枯渇してきていますので、亜鉛の資源確保は世界中で喫緊の課題といえます。

日本は資源が無い国なので、亜鉛をリサイクルして回収する技術は必須だと思います。

 


学術的によく知られる技術を組み合わせて
商業的に活用する、
世界初の技術。

永田技術の可能性は学術的によく知られていて、マーケットニーズも存在する。

つまり、この技術が商業的に活用できれば、マーケットにブレイクスルーをもたらす可能性が高いということですね。

松浦そう思います。

永田学術的な技術から商業的な技術に進歩する上で、何が課題だと思いますか?

松浦技術的な面から言うと、選択塩化法で塩素を使うことが、まず簡単ではありません。

800℃から900℃という過酷な温度環境下で塩素ガスを使う必要があります。

ベンチャー企業から見ると、こうした設備投資を伴う研究開発は難しいと思います。

普通のベンチャーキャピタルならば、投資判断としてはノーでしょう。

ただ、この技術は70年代、80年代にすでに報告されていて特許も出された公知の技術です。私たちならば実現できると思います。

永田技術開発のための資金以外に必要なものは何でしょうか?

松浦熱意を持って技術開発に取り組める人ですね。

永田母里社長は、どうお考えですか?

photo_3母里必要なものと言うよりも私たちの課題ですが、研究開発のマイルストンを達成することですね。

もう一つは、やはり人ですね。

特に、若い人たちを新たに採用したい。今回のインタビューのように、リアルテックファンドのPRと連携して採用活動を実施していきたいです。

新たに特許申請も検討しています。松浦先生の選択塩化法という技術と、塩化物を分解す当社の電解技術。この二つの技術の組み合わせが、今回の特許の肝です。

どちらの技術も単体では公知ですが、この二つの技術を結びつけるというのは、世界初の技術です。


 


自分たちの技術を実現して後続を育てたい。

永田私たちの仕事は、御社のように研究開発を行い、興味を持つ顧客が現れるまでのリスクマネーを供給し続けることだと思います。

そのあと、私たちは一緒に営業していく。なぜ私たちにそれができるかと言うと、リアルテックファンドの出資者全員が大手の事業会社だからです。

より長期的な視点で、技術と顧客のことをしっかりと考えてくださる。
photo_4私たちが大切にしようと思っている指標は、会社を何件上場させたかではなくて、応援した会社の技術が、何件社会に実装されたかです。

技術が社会に役立つ形で、しかもビジネスとして実現するということをとても大切にしています。

母里社長は、キノテック社の未来をどのように考えていらっしゃいますか?

母里やはり、私たちの技術を日本で使って欲しいです。

銅やアルミ、鉛は既にリサイクルされていますが、亜鉛はまだまだ少ない。

私たちの技術が実現すれば、亜鉛の市場そのものが変化する可能性があります。

永田松浦先生は大学の中にいる側から見て、ベンチャー企業を通じて大学の技術を世の中に出していくことをどう思われますか?

松浦時間やお金といった社会の貴重な資源を投じて研究・開発してきたものですから、社会に還元できる技術や製品として完成させたいと思いますね。

一方で教育に携わる大学人としては、優秀な人材を社会に輩出するという使命もあります。

photo_5永田今回のような取り組みは、様々な立場の人たちが関わるという点で、その可能性や多様性を示すと思います。

母里社長や松浦先生の後続を育てるという意味合いもあるのではないでしょうか。

松浦これまでは、私たちの技術のように設備投資を伴う研究開発では、ベンチャーを起業するというよりも、どこかの会社に入社して自分のやりたい研究開発を実現するという形が一般的だったと思います。

しかし、私たちの技術はよりコンパクトに、10人くらいの会社でも技術開発をできるという手ごたえを感じています。


 


学生たちが働きたいと手を挙げるような会社をつくる。

photo_6永田母里社長は、リアルテックファンドの印象をどう感じられています?

母里私は他のベンチャーキャピタルも知っていますが、印象がまるで違いますよね。リアルテックファンドは、技術やビジネスに対して非常に真摯に取り組んでいる印象を持ちました。

リアルテックファンドから初めて出資の話をいただいてうれしかったですし、自分たちもやってみようと思いました。

永田ありがとうございます。

それでは、最後に一言ずつお願いします。

松浦先生は、キノテック社に対して期待していることはありますか?

松浦技術を理解し、熱意のある人材を10年くらい雇える体力をつけて頂ければと思います。

将来、うちの学生たちが手を挙げて「私、キノテックに行きます」と言って、働けるような会社になれば本当に嬉しいです。

 

photo_7母里ITだけではない本物の技術が必要だと考えています。

日本の企業から世界へ自分たちの技術を発信できると良いですね

永田お二人ともありがとうございました。

これからもよろしくお願いします。