REAL TECH FUND

【株式会社AquaFusion】日本の水産業を変えるテクノロジーがここにある AquaFusion創業者の笹倉氏が語る水産への想いと今後の展望【後編】

2020.02.25
TwitterFacebookHatena

(前編はこちら)

※従来の魚群探知機とAquaMagicで取得できるデータの比較


『僕の中で「Aqua」は一つのキーワードでした』

藤井:―ここからは会社について伺いたいのですけれども、笹倉さんはもともと今のAquaFusionを設立される前も会社をやっていたのですよね。そもそもその会社を作ったきっかけなどお聞かせいただけますか?

笹倉:AquaFusionの前にはAquaSoundという会社をやっていました。当時30人株主さんがいらっしゃって、そのほとんどが大学の先生で、あとは農水省関係の研究者の方とか自衛隊の人がいたりしました。それで3000万ぐらいの会社を作ったんですが、その時は頼まれ作りの会社でした。当時は海外の製品ばかりを買っていたから、研究用の日本製品が国内にはなかった。以前僕がいた古野電気でもほとんど作っていなかったので、研究者の方々のための製品を作ってほしいという声に応えるために開発を始めました。なので、株主=ユーザーの声で作ったのがAquaSoundという会社でした。その会社は今も存続しているので、今は両方ともやっているという状況ですね。個人事業という観点から言えば、20年以上経営をやっている状態です。

藤井:―AquaFusionという社名に込めた思いというのはあるのでしょうか。

笹倉:僕個人の思いについてお話しますと、会社を設立する前から決めていた社名でした。僕は20年前ぐらいにFusionという個人会社をやっていまして、その10年後ぐらいにAquaSoundという会社を作りました。なので、僕の中で「Aqua」は一つのキーワードでした。今の会社は、FusionとAquaSoundの間の子供のような会社だったので、そのままAquaFusionという社名にしましたね。「水の融合」という意味もよかったし。子供の名前を生まれる前につけるのと同じような感覚でした。

藤井:会社として目指す理想像はありますか?

笹倉:今AquaFusionは10人ぐらいの会社なんですけど、大きな会社にしようという気持ちはないんです。とにかく社会貢献できる会社にしたい、そこにつきますね。少数精鋭という言い方もできますが。


『根幹にあるのは、「売って喜び、買って喜び」という価値観』

藤井:―笹倉さんご自身や会社として大事にしたい価値観などはありますか?

笹倉:とても単純ですが、「売って喜び、買って喜び」という価値観ですね。古野電機の創業者はこれをしきりに言っていました。

一つ昔話をすると、70年前に古野電気の創業者が魚群探知機を発明したのですが、それは潜水艦探知機を改造して作ったものでした。当時の大学の先生方は魚群が映るという話をしても誰も信じなかったんです。魚はほとんど水でできているから、反射率からしてありえないと。実際には魚群が映っていたんですがね。しかし、誰も信用してくれなかったので、古野電気の創業者は五島列島の村で一番成績の悪い漁師に魚群探知機を持たせて漁に出させることにしました。これは彼の戦略というよりも、成績の良い漁師たちは「そんなものはいらない」と言うので一番成績の悪い人に持たせるほかなかったんですね。しかし、その漁師は魚群探知機の使い方なんてわからないわけですから、創業者自ら一緒に船に乗って、一緒に漁師となってやっていました。すると、村で一番成績の悪かった漁師の水揚げ量が村でいきなり一番になったんですね。最初はまぐれだろうと周りは思ったのですが、その次もその漁師は一番になりました。

ここからが面白くて、10人ぐらいでやってる会社の表に、リュックに40万円、現代でいうところの4000万円ぐらいのお金を詰めて、今まで見向きもしなかった漁師たちがずらっと並んでたんですよ。「俺にもその魚群探知機をくれ!」とね。実は4000万円でも破格の値段設定なんです。というのも、この数字は村で一番になれば一晩で余裕で回収できる金額ですから。なので、これは機械の値段じゃなくて魚自体の値段なんです。4000万円という魚群探知機の値段は、一晩で1億、2億稼ぐことができる彼らのことを知り尽くした当時の創業者がつけた値段であり価値なんです。

いまでも魚群探知機は高いのですが、それは「売って喜び、買って喜び」という価値観に基づいているからなんですね。僕はそれを再現したいんです。


 『次の世代へと繋げていかなければという想い』

藤井:―今10名ほどメンバーがいるというお話でしたけど、どんな方々が集まっているのでしょうか?

笹倉:僕と松尾先生、それに元水産大学校校長の濱野先生、古野電気のOB、若手の社員1名、それに最近入社した35歳の元大手自動車会社の社員だった人たちです。それとリアルテックファンドのグロースマネージャーがハンズオンで2名が支援してくれています。これまでのメンバーは笹倉の知人友人達でしたが、最近入社したメンバーは初めての外部から公募での採用でした。初めて面接してから3ヶ月くらいの期間でしたが、2度会ってこちらの想いを語り、相手の要望も聞いてお互いマッチングして入社が決まったわけですが、僕にとっては初めての公募採用であり緊張の瞬間でした。大きな会社と違って研修期間もなく、いきなりトップスピードの実戦仕事ですが、本人はこれまでの会社と違いカルチャーショックがあったかもしれませんが、仕事が面白いと言ってくれよくやってくれています。

会社の平均年齢は多分60歳を越えていると思われますので、10年後20年後を考えればまだまだ若手・中堅の補強が必要です。海が好きで海にロマンを感じ、海に関わる仕事をしたい人の応募を待っています。いつでもどこへでも会いにいきますのでどしどし応募ください。

藤井―AquaFusionに向いていると思う人物像はありますか?

笹倉:僕は基本的にどんな方でも受け入れられるので、人間性という観点から言えば誰でも大丈夫です。専門性という観点から言えば、やはり選定する必要は出てきますが。仕事の仕方という観点から言えば、自立心があって自分で考えてやれる方でしょうかね。きちっと仕事をこなせる方が良いですね。

松尾:あとは、コミュニケーションが取れるほうがやりやすいですが、必須ではないかなと。どちらかといえば、同じ方向を向いて仕事をやれる方に来てほしいですね。水産の新しいスタイルを確立したいと僕たちは思っているので、そこに少しでも貢献してくれれば嬉しいです。

笹倉:海が好きで、魚が好きで、なおかつ研究が好きな方だと文句なしですね(笑)

藤井:―AquaFusionで働くことでメンバーに得てほしいものや感じてほしいものはありますか? 

笹倉:僕の経験値から言えば、最終的には一人立ちできるようになってほしいですね。転職も自分の力でできるように。

松尾:あとは社会に貢献しているという実感は得てほしいですね。「水産を変えるためにこの仕事をやっているんだ」というね。


『僕たちの身近にある海には、まだたくさんの夢が詰まっている』

藤井:―AquaFusionに興味を持った方に向けて、最後に一言メッセージをいただけますか?

松尾:違う分野をバックグラウンドに持つ同志でより集まり、皆が個性を発揮することで、新たな発想を生み出していきましょう。今のメンバーもそれぞれ違うバックグラウンドや能力を持っているのですが、最終的には同じひとつの方向を目指しているというのを感じていますし、その夢を一緒に叶えられるといいなと思います。

笹倉:僕からは、「水産を再生して、一緒に世界の海を開拓するようなテクノロジーを創生していきましょう」ということでしょうね。世界の海を開拓している企業自体はたくさんあると思うんですが、AquaFusionぐらい新しい発想を持った会社はなかなかないですよ。そこがわれわれの強みや魅力であり、今一番活きるところじゃないでしょうか。

あとは、世界の予算規模を見ても海の開発は宇宙開発の100分の1とか1000分の1ぐらいなんです。でも、僕は宇宙より海のほうが好きなんですよね。宇宙の前に身近な海を見たいし、その中にも夢が詰まってるということをもっと伝えていきたいですね。


 【略歴】

■笹倉豊喜/CEO

1973年、古野電気(株)に入社。同社在任中、主にソナー・魚探など超音波機器の開発に従事。1984年には戦艦大和探索に参加し、発見に至る。その後、舶用機器事業部開発部長を歴任する。1999年にはフュージョン有限会社を設立し、水中音響機器開発に従事。2009年より東京海洋大学と共同研究開始し、2010年に東京海洋大学の客員研究員に就任。2012年3月に株式会社AquaSoundを設立し、代表取締役会長に就任する。2012年には海洋音響学会論文賞を受賞。2017年1月、株式会社AquaFusion設立し、現在に至る。

(笹倉氏コメント)
海好きは子供の頃からですが、よく川で転んだり海に落ちたりして水難の相アリと言われました。笑
学生時代から旅好きで、あちこち飛び回るのが好きです。そのため、サラリーマンをやめ独立して飛び回る仕事を探して今日に至ります。
年間120〜130回飛行機に乗り、日本と世界を飛び回ってます。
出張日数は年間250日を上回ります。

 

■松尾行雄/取締役

2000年、東北大学電気通信研究所助手に就任、その後東北大学電気通信研究所COE研究員、産学連携研究員を歴任。東北大学在任時は、コウモリの生物ソナー、ならびに車載ソナーセンサに関する研究に従事。2005年より東北学院大学准教授に就任。その後2015年より教授。コウモリ・イルカの生物ソナーならびにその応用に関する研究や、絶滅危惧種のセミの音に関する研究や音声知覚に関する研究に従事。20171月、株式会社AquaFusion設立、現在に至る。盆地生まれのため、身近に川しかなく、昔から海に興味をもつ(泳ぎは苦手だが、、)。


【求人情報】

AquaFusionは現在、事業を一緒に成長させるメンバーを募集しております!

組み込みソフトウェアエンジニア

仕事内容
当社の水中可視化装置のソフトウェア開発をお任せ致します。現段階では海底数百メートルまで、従来の技術よりも遥かに鮮明に魚群の探知ができます(魚の大きさや形までわかる)が、更にアルゴリズム開発を進め、”魚種の識別、プラスチックと魚の区別の実現を目指します。

将来的にはAIや機械学習を導入していき、魚や海洋資源の分布図を作成。海洋MAPや漁場予測機能により、効率的な漁業を実現し、水産資源を枯渇させない持続可能な新しい漁業形態に貢献していきます。そして、食糧問題や海洋環境問題など、海洋研究の発展を大きく支えていきます。

入社後は現担当の元、大きな裁量権を持ってAI開発や装置のGUI開発をお任せする予定です。ユーザーとの距離感が非常に近く、直にフィードバックをもらいながら製品開発に活かせる環境となっています。

必要条件
■C,C++を使用した開発経験
■当社事業に強く共感頂ける方

本ポジションに少しでも興味を持っていただきましたら、気軽に藤井昭剛ヴィルヘルム(Real Tech Fund Team Developer/@akitaka.w.fujii@euglena.jp)までご一報ください。皆さまからのご連絡をお待ちしております。


TwitterFacebookHatena