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【Real Tech キャリアデー2019レポ】大企業からベンチャーに転職して変化したことは?【中編】

2020.03.09
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「これって本当に会社なの?」と思ったことも

永田:私の中で北畠さんと神尾さんのお二人は第二創業者的な立ち位置で入っていらっしゃる感覚があるんです。北畠さんの場合は、北畠さんが入ることで今の形態のニューロスペースができて事業自体もドライブしていく時期でしたよね。神尾さんの場合は、AMIの創業からちょっと経ってものがそれなりにでき始めてという頃でしたので、CXO入社というよりはまずはマネージャーとしてジョインしてもらったというところがあると思うんです。その差について何か感じられたことはありますか?

神尾:私自身は特に感じなかったですね。

永田:なるほど。今ここに100名近くの方がいらっしゃっていて、いろんなステージの会社があると思うんです。まだ本当に3、4人しかいない会社に入ることと、20人ぐらいの規模をすでに作り始めている会社に入るのとでは大きな差があると思っています。この差分が伝わると、会社がどのステージにいることがどのような感じなのかが伝わる気がします。その一連を見てきたのは水本さんでしょうか?

水本:そうですね。僕がチャレナジーに入社社長と副社長とCTOがいて、一か月前に入社した社員第一号のエンジニアがいただけでした。僕は社員第二号でマーケティングや営業から始めたのですが、それまでさんざん投資家に指摘されてきた事業面の計画策定を真正面から受け止めるというのが最初のミッションでしたので、なかなか厳しいものがありました。その時は会社に何もないので自分で全部やらないといけないし、「これって本当に会社だよね?」と聞きたくなるぐらいのレベル感でした。サークルのようだと言えば伝わりますかね。現在チャレナジーには社員が20人ぐらいいるので、そのフェーズに行くまでに整えないといけないことはたくさんありました。最初の数人はリスクをとって入社しましたけが、10~15名の時期に会社に入ってくる人は、チャレナジーはちゃんとした会社なんだろうと思って入社してくる人が多いんですよね。当時メディアでも取り上げられていましたから。しかし、いざ入ってみた彼らから「こんな制度もないのか」と言われたこともありました。ですので、我々もより働きやすい体制を整えていこうという意志はあります。社員が15~20名の時期に入社する時と3~4人の時期に入社する時とでは、心理的なハードルはかなり異なってくると思います。

永田:それは良し悪しというよりは、タイプでしょうか?

水本:そうですね、タイプだと思います。入ってこられる方の中にはもちろんリスクを覚悟してこられる方もいらっしゃいますが、ある程度会社として整っているのだろうという心構えで来る方の方が多いように感じます。


ベンチャーならではの働き方と魅力

永田:ベンチャーで働くという点に関して、お聞きしたい点があって、特にお子さんがいらっしゃる北畠さんと神尾さんは「子育ての関与の仕方」ってどう変わりました?

これって働き方の変化が如実に現れると思うんですけれど。

北畠:子育ての関与の仕方はそんなに変わってはいないですね。前提として私は育児がそんなにやれてなくて妻に怒られるタイプです。20時には帰宅できるので、基本的には子供が起きている時間には家に帰れるという感じで、週に1、2回は18時頃に帰って子供と一緒に夜ご飯を食べられるという感じですね。

永田:この質問の背景は「ベンチャーってブラックっぽいイメージがありますけど実際どうなんですか?」という問いから始まっているんです。そのあたりどうですか?

北畠:その点については、先ほどの帰れますという話もありますし、うちはリモートワークを推奨しているのですが、在宅と出社を柔軟に選択できるようになっています。そのあたりは働きやすさで言ったら高いのかなと思います。土日は基本的にほとんど仕事しなくていいように物事を回してはいますね。そういう点ではブラックではないと言えると思います。

永田:神尾さんはいかがですか?

神尾:子育てという点に関しては、私は1歳半と3歳半の子供がいるんですが、前職の時は帰る時間も遅かったため家族のサポートがほとんどできませんでした。今は鹿児島で家もオフィスに近いので、家族のサポートは以前よりもできている感覚はあります。AMIもリモートワークを推奨していますし、午前中だけオフィスで娘の面倒を見ながら仕事をして、妻が後から娘を迎えに来て家に連れて帰ってもらうような働き方もできます。これはベンチャーだからこそできる働き方だと思うので、働き方としては良いのではないかと思います。

永田:なるほど、ありがとうございます。

北畠:一個宣伝しますと、今ニューロスペースには14名社員がいまして、そのうち子持ちが11名、かつママが5名いるのですが、それでちゃんと仕事が回せているので、ベンチャーって結構ホワイトです(笑)お互いに持ちつ持たれつなので、お互いに対するリスペクトで成り立っているような面もあります。

永田:僕もいまユーグレナ社とリアルテックファンドの両方をやりながら5時までの時短勤務です。社内にも託児所があるのでそこで長男をピックアップして帰るという感じですね。

これはリアルテックファンドが、働き方も自分たちで設計できるというのが大きいですね。だから誰かに文句を言うこともないです。自分達で決めるので。なので、もしくはベンチャーの働き方もどういう基準で決めている人たちなのかという点も選択理由の一つになってもいいかもしれませんね。

永田:水本さんはいかがですか?

水本:僕は子供がいないので逆にハードワークです。役員なので朝昼晩関係なく働きますし、それだけ聞いたらブラックだと判断されるのかなと思いますが、僕自身は全くブラックだと感じていません。というのも、やりたい仕事をやれているからなんですよね。仕事をやらされている感じは全くありません。ブラックには二つの側面があると思います。一つは長時間労働で、もう一つはそのやらされてる感かなと。働くことへの精神的な辛さはないですし、楽しく働けています。この働くことへの苦痛がないという点ではベンチャーにはブラックさはないと言えるのではないかと思います。

永田:おっしゃる通りですね。ユーグレナ社も上場した時に、働き方の調整や、時間管理が厳しくなったので、「もっと研究させろ」という意見が出たことがありました。やりたいことをどこまでもやることが許される環境は間違いなく幸せですよね。企業ごとにカルチャーがあり、それを選択できるということが各々の働く幸せに繋がるのだろうと聞きながら思いました。


産みの苦しみ、その裏にある達成感と喜び

永田:これまで働いていて辞めたいなと思った瞬間や苦しくなった瞬間などはありましたか?

水本:チャレナジーに入って辞めたいなと思ったことはありませんが、やっぱり社長との相性という点に関しては少しだけ思うところがありました。社長の清水は仏頂面で何を考えているのかわからないようなところがありまして(笑)、入社した時には結構彼から請われて入ったのですが、実際に働いてみたら結構清水のリアクションが悪かったり薄いなと感じることがあり、これは選択を間違えたかなと思ったこともありました(笑)。でも、よくよく話をしてみると彼の中ではすごく考えているんですよね。一年ぐらいたった後に「マーケティングや営業戦略といったところでは、全幅の信頼を置いている」と言われた時、道として選択は間違ってはいなかったなと思いました。

北畠:辞めたいなとは思いませんけど、苦しいなと思うことはしょっちゅうあります。それが事業の生き死ににかかわるというか。資金繰りの管理がいまいちきちんとできてなかった時に、「来月これやばいんじゃない?」という状況に陥って銀行に走ったこともありましたし、今回のファイナンスに関しても苦しい状況は何度もありました。お金にまつわることに限らず、僕らのプロダクト自体も難しいものを世に出そうとしているので、出してみて反応が悪かった時などの産みの苦しみの辛さというものは正直あります。でも、乗り越えた時の達成感も尋常ではないので、だんだん麻痺してきているところはあります(笑)。

神尾:私も辞めたいなと思ったことは一度もありませんが、日々感じるプレッシャーはあります。自分達のプロダクトはまだ市場に出ていませんから、それを作って売って、事業化するという富士山の頂のさらに上を意識すると日々きゅっと引き締まる思いがするんですけど、それが良いプレッシャーにはなっています。苦しいときはありますし、大変なことはありますが、やめたいと思ったことはないですね。

永田:ありがとうございます。僕も11年やってきて苦しいことばかりでしたが、一番苦しかったのは逃げ道がないことに気付いた時でしたね。前職はサラリーマンだったので、会社の業績が悪かった時に会社のせいにしたり、あの事業部が悪いなどと思っていたのですが、今はそれができない。会社と自分が一体化しているということは本当に苦しいですが、逆にやりがいにも繋がっています。それがベンチャーの良さであり、成功した時の喜びとも表裏一体だと思います。


後編に続く

★記事に関するご感想、ベンチャーへの転職に興味を持たれた方は藤井(akitaka.w.fujii@euglena.jp)までご連絡ください。

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